オランダとイギリス
The Netherlands vs the United KingdomNLUK
オランダから見たイギリス。以下の各行は、イギリスがオランダとどう違うかを書いています。
Culture Map の 8 尺度
Erin Meyer の 8 つの尺度を、オランダとイギリスの差が大きい順に並べています。
塗りつぶしの点:オランダ(見ている側)白抜きの輪:イギリス
違いに気づくところ7 尺度
評価
イギリスはオランダより否定的なフィードバックを間接的に伝える(3 段階)
オランダ −3、イギリス 0(−3=直接的な否定的フィードバック、+3=間接的な否定的フィードバック)。
リード
イギリスはオランダより上司とチームの距離が遠い(2 段階)
オランダ −3、イギリス −1(−3=平等主義、+3=階層主義)。
決定
イギリスはオランダより決定を責任者に委ねる(2 段階)
オランダ −2、イギリス 0(−3=合意志向、+3=トップダウン)。
見解の相違
イギリスはオランダより公然と反論するのを避ける(2 段階)
オランダ −2、イギリス 0(−3=対立型、+3=対立回避型)。
コミュニケーション
イギリスはオランダより行間に多くを委ねて伝える(1 段階)
オランダ −2、イギリス −1(−3=低文脈、+3=高文脈)。
説得
イギリスはオランダより理論より先に結論や事例を求める(1 段階)
オランダ +1、イギリス +2(−3=原理優先、+3=応用優先)。
スケジューリング
イギリスはオランダより予定を状況に合わせて変える(1 段階)
オランダ −2、イギリス −1(−3=直線的な時間、+3=柔軟な時間)。
近いところ1 尺度
信頼
オランダとイギリスは同じ段階にある
オランダ −2、イギリス −2(−3=タスクベース、+3=関係ベース)。
Hofstede の 6 次元
0〜100 のスコアを、オランダとイギリスの差が大きい順に並べています。国の平均値であり、どちらの国の性格を表すものでもありません。
達成と成功への動機
イギリスはオランダより 52 ポイント高い(66 対 14)
オランダ 14、イギリス 66(0=合意志向、100=達成志向)。
個人主義
イギリスはオランダより 24 ポイント低い(76 対 100)
オランダ 100、イギリス 76(0=集団主義、100=個人主義)。
不確実性の回避
イギリスはオランダより 18 ポイント低い(35 対 53)
オランダ 53、イギリス 35(0=曖昧さに寛容、100=曖昧さを避ける)。
長期志向
イギリスはオランダより 7 ポイント低い(60 対 67)
オランダ 67、イギリス 60(0=短期志向、100=長期志向)。
権力格差
イギリスはオランダより 3 ポイント低い(35 対 38)
オランダ 38、イギリス 35(0=権力格差が小さい、100=権力格差が大きい)。
人生の楽しみ方
イギリスはオランダより 1 ポイント高い(69 対 68)
オランダ 68、イギリス 69(0=抑制的、100=充足的)。
テーマごとの記述
オランダとイギリスの記述を、広い画面では左右に並べています。各記述には信頼度と出典がそのまま付いています。
設計と品質
オランダ記述 2 件
Python は Guido van Rossum が CWI(アムステルダム)で作った。本人は、ABC の拡張性のなさへの不満と、Amoeba 分散 OS グループでのシステム管理の必要を動機に挙げている。1989 年のクリスマス休暇に実装を始め、1991-02-20 に 0.9.0 を公開した。
【裏付け十分】出典 2 件2009【古い資料】nl-design-1
Thomke(HBR, 2020)によると、Booking.com は同時に 1,000 件を超える実験を走らせ、年間では 2.5 万件以上になる。社内では、経営の許可なしに誰でも何でもテストしてよいとされている。
【裏付けあり】出典 1 件2020nl-design-2
イギリス記述 3 件
GDS の Government Design Principles (2012 年公開、2025 年更新) は「Start with user needs」「Do less」「Iterate. Then iterate again」などを掲げる。公共部門が iterative な開発を公式の原則にしている。
【裏付け十分】出典 1 件2025gb-design-1
GOV.UK Service Standard の point 8 は「Iterate and improve frequently」だ。サービスに完成はなく、バグ修正などの保守だけでは足りないとしている。
【裏付け十分】出典 1 件gb-design-2
NAO の 2023 年の報告によると、過去 25 年で省庁横断のデジタル戦略が 11 回出された。1974 年に導入された Police National Computer はいまも使われている。
【裏付け十分】出典 1 件2023gb-design-3
失敗とリスク
オランダ記述 2 件
ING は 2015 年に Spotify 型の squad と tribe の体制へ移った。McKinsey のインタビュー(2017)によると、各 tribe は四半期ごとに成果と最大の学びを書き出し、成功も失敗も祝う。
【裏付けあり】出典 1 件2017nl-failure-1
Thomke(HBR, 2020)によると、Booking.com の実験で陽性の結果が出るのは約 1 割で、残りの約 9 割は仮説を支持しない。同社はこれを前提に実験を運用している。
【裏付けあり】出典 1 件2020nl-failure-2
イギリス記述 4 件
GDS Way のインシデント管理標準は、blameless post mortem culture に沿って incident review を行うよう定めている。
【裏付け十分】出典 1 件gb-failure-1
GOV.UK はインシデントレポートを公開している (例: 2022 年 1 月 5 日のエラー率上昇)。元 GDS 職員は 2018 年の記事で、公開することで信頼と安全に学べる雰囲気が生まれると書いている。
【裏付け十分】出典 2 件2022gb-failure-2
London の fintech である Monzo は 2019 年のブログで、on-call を 2 名体制にし、すべてのインシデントを記録していると説明した。The Pragmatic Engineer は、blameless を装った責任の押し付け合い (blameless buck-passing) にも注意を促している。
【裏付け十分】出典 2 件2019gb-failure-3
Post Office Horizon 事件では、Fujitsu 製システムにバグがあったにもかかわらず「Horizon は堅牢」とする証言が使われ、900 件を超える冤罪の有罪判決が出た。Court of Appeal は、Post Office が事実上立証責任を逆転させたと認定した。
【裏付けあり】出典 2 件gb-failure-4
フィードバックとコードレビュー
オランダ記述 2 件
Erin Meyer はオランダを、Evaluating ではネガティブフィードバックを直接伝える側、Disagreeing では公の場での反論を厭わない側の例に挙げる。本には「the Dutch manager learns always to be honest and to give the message straight」という一節がある。
【裏付けあり】出典 1 件nl-feedback-1
駐在員向けガイドの中には、オランダ人の率直さを polder model の合意形成と結びつけ、遠慮なく意見を出し合うことが合意の前提だと説明するものがある。
【裏付け薄】出典 1 件nl-feedback-2
イギリス記述 3 件
Meyer は、英国人の否定的フィードバックは米国人より間接的で、オランダ人よりはるかに間接的だと書いている。a bit や slightly のような downgrader を使った understatement が多いとする。
【裏付けあり】出典 1 件2014【古い資料】gb-feedback-1
Meyer が紹介する Anglo-Dutch translation guide では、「With all due respect」は「あなたは間違っている」、「Very interesting」は「気に入らない」の意味だとされる。半分ジョークの資料で、作者も定まっていない。
【裏付けあり】出典 2 件2014【古い資料】gb-feedback-2
20 プロジェクト・4.4 万件の PR で、開発者の国の HDI と受理率の関係を見た研究 (Furtado et al., 2020) では、英国の開発者は受理率が最も高いグループに入っていた。
【裏付けあり】出典 1 件2020gb-feedback-3
階層と意思決定
オランダ記述 3 件
Meyer は Leading スケールでオランダをデンマークやスウェーデンと並ぶ平等主義の例に挙げている。The Culture Map の要約サイトによると、Deciding では合意型に置かれ、スウェーデンや日本と同じ側になる。
【裏付けあり】出典 2 件nl-hierarchy-1
Contemporary Management Research(2018)の研究は管理職 808 人のデータを構造方程式モデリングで分析した。協議と議論で実利的な合意に至る polder 的な価値観が、管理職の好むリーダーシップに強く影響しているという。
【裏付け十分】出典 1 件2018nl-hierarchy-2
Woldendorp & Keman(2007)は 1965〜2000 年のオランダのコーポラティズムを検証し、polder model は過大評価されていると論じた。労使の交渉は厳しく、中央協約が結ばれた割合は低かったという。
【裏付けあり】出典 1 件2007【古い資料】nl-hierarchy-3
イギリス記述 3 件
Meyer の HBR 2017 の図では、英国は米国・カナダ・オーストラリアと同じ「egalitarian かつ top-down」の象限に置かれている。
【裏付けあり】出典 1 件2017gb-hierarchy-1
公共部門では Service Standard に基づく service assessment が実質的なゲートになっている。DfE の解説によると、正当な理由なく新規コードを公開していないと assessment に通らないことがある。
【裏付け十分】出典 1 件gb-hierarchy-2
NAO (2023) は、政府のデジタル関連の意思決定の多くを、技術を専門としないジェネラリストのリーダーが下している点を課題に挙げている。
【裏付け十分】出典 1 件2023gb-hierarchy-3
コミュニケーションとドキュメント
オランダ記述 2 件
Meyer は Communicating スケールで、オランダを米国・カナダ・オーストラリアと並ぶ低文脈(明示的)な文化の例に挙げている。
【裏付けあり】出典 1 件nl-communication-1
実務ガイドの NL Compass は、オランダの職場では会議の議題が重んじられ、予定を事前に固めるのが普通だと説明している。
【裏付け薄】出典 1 件2026nl-communication-2
イギリス記述 3 件
要約サイトによると、Meyer の Communicating 軸で英国は低文脈側にあるが、米国、カナダ、オーストラリア、オランダ、ドイツよりは文脈に頼る度合いが高い。
【裏付け薄】出典 1 件gb-communication-1
「Make things open: it makes things better」は政府の design principle の一つで、新規コードの公開は Service Standard の point 12 になっている。GDS は 2017 年に coding in the open の利点をブログで説明した。
【裏付け十分】出典 2 件2017gb-communication-2
Inside GOV.UK は 2015 年、GOV.UK で障害が起きたときの対応手順をブログで公開した。
【裏付け十分】出典 1 件2015【古い資料】gb-communication-3
働き方とキャリア
オランダ記述 2 件
イギリス記述 4 件
ONS によると、2024 年のフルタイム労働者の実労働時間は週平均 36.6 時間だった。全職種の数値で、エンジニアに限ったものではない。
【裏付け十分】出典 1 件2026gb-work-1
Stack Overflow Developer Survey 2025 では、英国の回答者のフルリモート比率は 31.9%、柔軟寄りのハイブリッドは 25.8% だった。給与の中央値は Engineering Manager が $136,141、back-end が $108,913 で、米国の 6〜7 割程度である。
【裏付け十分】出典 1 件2025gb-work-2
20 人以上を整理解雇する場合は集団協議が必要になる。協議は、20〜99 人なら最初の解雇の 30 日前まで、100 人以上なら 45 日前までに始めなければならない。
【裏付け十分】出典 1 件gb-work-3
2022 年の週 4 日勤務の試行 (61 社、約 2,900 人) では、56 社が試行後も継続し、従業員の 71% が燃え尽きの減少を報告した。小規模企業が中心で、テック業界に限った試行ではない。
【裏付けあり】出典 1 件2023gb-work-4
OSS とコミュニティ
オランダ記述 2 件
イギリス記述 3 件
Octoverse 2024 によると、英国の GitHub 開発者は 400 万人を超え、前年比 +19% だった。Octoverse 2025 は 2030 年に約 1,100 万人になると予測している。
【裏付け十分】出典 2 件2025gb-oss-1
- GitHub Octoverse 2024 (2024)
- GitHub Octoverse 2025 (2025)
業界団体 OpenUK の推計 (2023) では、2022 年に OSS が英国テック部門の GVA の 27% を支えた。
【裏付けあり】出典 1 件2023gb-oss-2
公共部門はコード公開をデフォルトとして制度化している。Skills Funding Agency は GOV.UK の Smart Answers のコードを再利用し、少なくとも 2 か月かかる見込みだった開発を 1 週間未満で終えた。
【裏付け十分】出典 1 件2017gb-oss-3