イギリスと日本
The United Kingdom vs JapanUKJP
イギリスから見た日本。以下の各行は、日本がイギリスとどう違うかを書いています。
Culture Map の 8 尺度
Erin Meyer の 8 つの尺度を、イギリスと日本の差が大きい順に並べています。
塗りつぶしの点:イギリス(見ている側)白抜きの輪:日本
違いに気づくところ7 尺度
コミュニケーション
日本はイギリスより行間に多くを委ねて伝える(4 段階)
イギリス −1、日本 +3(−3=低文脈、+3=高文脈)。
リード
日本はイギリスより上司とチームの距離が遠い(4 段階)
イギリス −1、日本 +3(−3=平等主義、+3=階層主義)。
評価
日本はイギリスより否定的なフィードバックを間接的に伝える(3 段階)
イギリス 0、日本 +3(−3=直接的な否定的フィードバック、+3=間接的な否定的フィードバック)。
決定
日本はイギリスより集団の合意で物事を決める(3 段階)
イギリス 0、日本 −3(−3=合意志向、+3=トップダウン)。
信頼
日本はイギリスより個人的な関係で信頼を築く(3 段階)
イギリス −2、日本 +1(−3=タスクベース、+3=関係ベース)。
見解の相違
日本はイギリスより公然と反論するのを避ける(3 段階)
イギリス 0、日本 +3(−3=対立型、+3=対立回避型)。
スケジューリング
日本はイギリスより予定や期限を固定して守る(1 段階)
イギリス −1、日本 −2(−3=直線的な時間、+3=柔軟な時間)。
位置のない尺度1 尺度
Meyer がその国を尺度に位置づけていないか、位置を示す出典がない尺度です。推測で置くことはせず、印を付けていません。
- 説得Meyer は日本の考え方を全体論的として、この尺度に位置づけていない
Hofstede の 6 次元
0〜100 のスコアを、イギリスと日本の差が大きい順に並べています。国の平均値であり、どちらの国の性格を表すものでもありません。
不確実性の回避
日本はイギリスより 57 ポイント高い(92 対 35)
イギリス 35、日本 92(0=曖昧さに寛容、100=曖昧さを避ける)。
長期志向
日本はイギリスより 40 ポイント高い(100 対 60)
イギリス 60、日本 100(0=短期志向、100=長期志向)。
達成と成功への動機
日本はイギリスより 29 ポイント高い(95 対 66)
イギリス 66、日本 95(0=合意志向、100=達成志向)。
人生の楽しみ方
日本はイギリスより 27 ポイント低い(42 対 69)
イギリス 69、日本 42(0=抑制的、100=充足的)。
権力格差
日本はイギリスより 19 ポイント高い(54 対 35)
イギリス 35、日本 54(0=権力格差が小さい、100=権力格差が大きい)。
個人主義
日本はイギリスより 14 ポイント低い(62 対 76)
イギリス 76、日本 62(0=集団主義、100=個人主義)。
テーマごとの記述
イギリスと日本の記述を、広い画面では左右に並べています。各記述には信頼度と出典がそのまま付いています。
設計と品質
イギリス記述 3 件
GDS の Government Design Principles (2012 年公開、2025 年更新) は「Start with user needs」「Do less」「Iterate. Then iterate again」などを掲げる。公共部門が iterative な開発を公式の原則にしている。
【裏付け十分】出典 1 件2025gb-design-1
GOV.UK Service Standard の point 8 は「Iterate and improve frequently」だ。サービスに完成はなく、バグ修正などの保守だけでは足りないとしている。
【裏付け十分】出典 1 件gb-design-2
NAO の 2023 年の報告によると、過去 25 年で省庁横断のデジタル戦略が 11 回出された。1974 年に導入された Police National Computer はいまも使われている。
【裏付け十分】出典 1 件2023gb-design-3
日本記述 4 件
失敗とリスク
イギリス記述 4 件
GDS Way のインシデント管理標準は、blameless post mortem culture に沿って incident review を行うよう定めている。
【裏付け十分】出典 1 件gb-failure-1
GOV.UK はインシデントレポートを公開している (例: 2022 年 1 月 5 日のエラー率上昇)。元 GDS 職員は 2018 年の記事で、公開することで信頼と安全に学べる雰囲気が生まれると書いている。
【裏付け十分】出典 2 件2022gb-failure-2
London の fintech である Monzo は 2019 年のブログで、on-call を 2 名体制にし、すべてのインシデントを記録していると説明した。The Pragmatic Engineer は、blameless を装った責任の押し付け合い (blameless buck-passing) にも注意を促している。
【裏付け十分】出典 2 件2019gb-failure-3
Post Office Horizon 事件では、Fujitsu 製システムにバグがあったにもかかわらず「Horizon は堅牢」とする証言が使われ、900 件を超える冤罪の有罪判決が出た。Court of Appeal は、Post Office が事実上立証責任を逆転させたと認定した。
【裏付けあり】出典 2 件gb-failure-4
日本記述 3 件
フィードバックとコードレビュー
イギリス記述 3 件
Meyer は、英国人の否定的フィードバックは米国人より間接的で、オランダ人よりはるかに間接的だと書いている。a bit や slightly のような downgrader を使った understatement が多いとする。
【裏付けあり】出典 1 件2014【古い資料】gb-feedback-1
Meyer が紹介する Anglo-Dutch translation guide では、「With all due respect」は「あなたは間違っている」、「Very interesting」は「気に入らない」の意味だとされる。半分ジョークの資料で、作者も定まっていない。
【裏付けあり】出典 2 件2014【古い資料】gb-feedback-2
20 プロジェクト・4.4 万件の PR で、開発者の国の HDI と受理率の関係を見た研究 (Furtado et al., 2020) では、英国の開発者は受理率が最も高いグループに入っていた。
【裏付けあり】出典 1 件2020gb-feedback-3
日本記述 4 件
階層と意思決定
イギリス記述 3 件
Meyer の HBR 2017 の図では、英国は米国・カナダ・オーストラリアと同じ「egalitarian かつ top-down」の象限に置かれている。
【裏付けあり】出典 1 件2017gb-hierarchy-1
公共部門では Service Standard に基づく service assessment が実質的なゲートになっている。DfE の解説によると、正当な理由なく新規コードを公開していないと assessment に通らないことがある。
【裏付け十分】出典 1 件gb-hierarchy-2
NAO (2023) は、政府のデジタル関連の意思決定の多くを、技術を専門としないジェネラリストのリーダーが下している点を課題に挙げている。
【裏付け十分】出典 1 件2023gb-hierarchy-3
日本記述 3 件
コミュニケーションとドキュメント
イギリス記述 3 件
要約サイトによると、Meyer の Communicating 軸で英国は低文脈側にあるが、米国、カナダ、オーストラリア、オランダ、ドイツよりは文脈に頼る度合いが高い。
【裏付け薄】出典 1 件gb-communication-1
「Make things open: it makes things better」は政府の design principle の一つで、新規コードの公開は Service Standard の point 12 になっている。GDS は 2017 年に coding in the open の利点をブログで説明した。
【裏付け十分】出典 2 件2017gb-communication-2
Inside GOV.UK は 2015 年、GOV.UK で障害が起きたときの対応手順をブログで公開した。
【裏付け十分】出典 1 件2015【古い資料】gb-communication-3
日本記述 3 件
働き方とキャリア
イギリス記述 4 件
ONS によると、2024 年のフルタイム労働者の実労働時間は週平均 36.6 時間だった。全職種の数値で、エンジニアに限ったものではない。
【裏付け十分】出典 1 件2026gb-work-1
Stack Overflow Developer Survey 2025 では、英国の回答者のフルリモート比率は 31.9%、柔軟寄りのハイブリッドは 25.8% だった。給与の中央値は Engineering Manager が $136,141、back-end が $108,913 で、米国の 6〜7 割程度である。
【裏付け十分】出典 1 件2025gb-work-2
20 人以上を整理解雇する場合は集団協議が必要になる。協議は、20〜99 人なら最初の解雇の 30 日前まで、100 人以上なら 45 日前までに始めなければならない。
【裏付け十分】出典 1 件gb-work-3
2022 年の週 4 日勤務の試行 (61 社、約 2,900 人) では、56 社が試行後も継続し、従業員の 71% が燃え尽きの減少を報告した。小規模企業が中心で、テック業界に限った試行ではない。
【裏付けあり】出典 1 件2023gb-work-4
日本記述 5 件
OSS とコミュニティ
イギリス記述 3 件
Octoverse 2024 によると、英国の GitHub 開発者は 400 万人を超え、前年比 +19% だった。Octoverse 2025 は 2030 年に約 1,100 万人になると予測している。
【裏付け十分】出典 2 件2025gb-oss-1
- GitHub Octoverse 2024 (2024)
- GitHub Octoverse 2025 (2025)
業界団体 OpenUK の推計 (2023) では、2022 年に OSS が英国テック部門の GVA の 27% を支えた。
【裏付けあり】出典 1 件2023gb-oss-2
公共部門はコード公開をデフォルトとして制度化している。Skills Funding Agency は GOV.UK の Smart Answers のコードを再利用し、少なくとも 2 か月かかる見込みだった開発を 1 週間未満で終えた。
【裏付け十分】出典 1 件2017gb-oss-3
日本記述 4 件