アメリカとオランダ
The United States vs the NetherlandsUSNL
アメリカから見たオランダ。以下の各行は、オランダがアメリカとどう違うかを書いています。
Culture Map の 8 尺度
Erin Meyer の 8 つの尺度を、アメリカとオランダの差が大きい順に並べています。
塗りつぶしの点:アメリカ(見ている側)白抜きの輪:オランダ
違いに気づくところ8 尺度
評価
オランダはアメリカより否定的なフィードバックを直接的に伝える(3 段階)
アメリカ 0、オランダ −3(−3=直接的な否定的フィードバック、+3=間接的な否定的フィードバック)。
決定
オランダはアメリカより集団の合意で物事を決める(3 段階)
アメリカ +1、オランダ −2(−3=合意志向、+3=トップダウン)。
説得
オランダはアメリカより結論より先に理論や原則を求める(2 段階)
アメリカ +3、オランダ +1(−3=原理優先、+3=応用優先)。
リード
オランダはアメリカより上司とチームの距離が近い(2 段階)
アメリカ −1、オランダ −3(−3=平等主義、+3=階層主義)。
見解の相違
オランダはアメリカよりためらわずに公然と反論する(2 段階)
アメリカ 0、オランダ −2(−3=対立型、+3=対立回避型)。
コミュニケーション
オランダはアメリカより行間に多くを委ねて伝える(1 段階)
アメリカ −3、オランダ −2(−3=低文脈、+3=高文脈)。
信頼
オランダはアメリカより個人的な関係で信頼を築く(1 段階)
アメリカ −3、オランダ −2(−3=タスクベース、+3=関係ベース)。
スケジューリング
オランダはアメリカより予定や期限を固定して守る(1 段階)
アメリカ −1、オランダ −2(−3=直線的な時間、+3=柔軟な時間)。
Hofstede の 6 次元
0〜100 のスコアを、アメリカとオランダの差が大きい順に並べています。国の平均値であり、どちらの国の性格を表すものでもありません。
達成と成功への動機
オランダはアメリカより 48 ポイント低い(14 対 62)
アメリカ 62、オランダ 14(0=合意志向、100=達成志向)。
個人主義
オランダはアメリカより 40 ポイント高い(100 対 60)
アメリカ 60、オランダ 100(0=集団主義、100=個人主義)。
長期志向
オランダはアメリカより 17 ポイント高い(67 対 50)
アメリカ 50、オランダ 67(0=短期志向、100=長期志向)。
不確実性の回避
オランダはアメリカより 7 ポイント高い(53 対 46)
アメリカ 46、オランダ 53(0=曖昧さに寛容、100=曖昧さを避ける)。
権力格差
オランダはアメリカより 2 ポイント低い(38 対 40)
アメリカ 40、オランダ 38(0=権力格差が小さい、100=権力格差が大きい)。
人生の楽しみ方
オランダとアメリカはどちらも 68
アメリカ 68、オランダ 68(0=抑制的、100=充足的)。
テーマごとの記述
アメリカとオランダの記述を、広い画面では左右に並べています。各記述には信頼度と出典がそのまま付いています。
設計と品質
アメリカ記述 3 件
Google ではコードを書く前に比較的インフォーマルな design doc を書く。Malte Ubl の 2020 年の解説によると、重視するのは網羅的な仕様ではなく、検討したトレードオフと代替案の記録だ。
【裏付け薄】出典 1 件2020us-design-1
Ubl は design doc を「必要な分だけ長く、できるだけ短く」書くべきだとし、重いウォーターフォール型の仕様書とは区別している。
【裏付け薄】出典 1 件2015【古い資料】us-design-2
Meyer は米国を Persuading 軸の applications-first 側に置いている。要約サイトの解説では、結論や事例から入り、理論的な why より実践的な how を重視する傾向とされる。
【裏付け薄】出典 1 件us-design-3
オランダ記述 2 件
Python は Guido van Rossum が CWI(アムステルダム)で作った。本人は、ABC の拡張性のなさへの不満と、Amoeba 分散 OS グループでのシステム管理の必要を動機に挙げている。1989 年のクリスマス休暇に実装を始め、1991-02-20 に 0.9.0 を公開した。
【裏付け十分】出典 2 件2009【古い資料】nl-design-1
Thomke(HBR, 2020)によると、Booking.com は同時に 1,000 件を超える実験を走らせ、年間では 2.5 万件以上になる。社内では、経営の許可なしに誰でも何でもテストしてよいとされている。
【裏付けあり】出典 1 件2020nl-design-2
失敗とリスク
アメリカ記述 2 件
Google SRE Book (2016) は blameless postmortem を明文化している。個人やチームを責めずに寄与要因を特定し、関係者は善意で行動したと仮定する。
【裏付け十分】出典 1 件2016us-failure-1
2014 年の F8 で Zuckerberg は、Facebook の標語「Move fast and break things」を「Move fast with stable infra」に改めた。規模が大きくなると、壊れたものを直す時間が速さの利益を上回るというのが理由だった。
【裏付けあり】出典 1 件2014【古い資料】us-failure-2
オランダ記述 2 件
ING は 2015 年に Spotify 型の squad と tribe の体制へ移った。McKinsey のインタビュー(2017)によると、各 tribe は四半期ごとに成果と最大の学びを書き出し、成功も失敗も祝う。
【裏付けあり】出典 1 件2017nl-failure-1
Thomke(HBR, 2020)によると、Booking.com の実験で陽性の結果が出るのは約 1 割で、残りの約 9 割は仮説を支持しない。同社はこれを前提に実験を運用している。
【裏付けあり】出典 1 件2020nl-failure-2
フィードバックとコードレビュー
アメリカ記述 3 件
Meyer によると、米国人は否定的なメッセージを肯定的なメッセージで包むよう教えられることが多い (feedback sandwich)。そのため Meyer は、否定的評価の伝え方では米国を中位に置いている。
【裏付けあり】出典 1 件2014【古い資料】us-feedback-1
4squareviews の解説によると、オランダやドイツの人は米国式の褒め言葉を額面どおりに受け取り、米国人はオランダやドイツの率直な批判を強すぎると感じるというズレが起きやすい。
【裏付け薄】出典 1 件2016us-feedback-2
17 か国・7 万件超の GitHub PR を分析した研究 (Rastogi et al., 2018) では、レビュアーと提出者が同じ国の場合に PR が受理されやすい傾向があった。
【裏付け十分】出典 1 件2018us-feedback-3
オランダ記述 2 件
Erin Meyer はオランダを、Evaluating ではネガティブフィードバックを直接伝える側、Disagreeing では公の場での反論を厭わない側の例に挙げる。本には「the Dutch manager learns always to be honest and to give the message straight」という一節がある。
【裏付けあり】出典 1 件nl-feedback-1
駐在員向けガイドの中には、オランダ人の率直さを polder model の合意形成と結びつけ、遠慮なく意見を出し合うことが合意の前提だと説明するものがある。
【裏付け薄】出典 1 件nl-feedback-2
階層と意思決定
アメリカ記述 2 件
Meyer は米国を「egalitarian だが top-down」に分類している (HBR 2017)。ファーストネームで呼び合い発言も促されるが、決定はボスが素早く下し、新しい論拠が出れば見直されうるとする。
【裏付けあり】出典 1 件2017us-hierarchy-1
同じ論文で Meyer は、日本の管理職から見ると米国のボスは表面上フラットでも、決め方はきわめて独断的に映ると紹介している。
【裏付けあり】出典 1 件2017us-hierarchy-2
オランダ記述 3 件
Meyer は Leading スケールでオランダをデンマークやスウェーデンと並ぶ平等主義の例に挙げている。The Culture Map の要約サイトによると、Deciding では合意型に置かれ、スウェーデンや日本と同じ側になる。
【裏付けあり】出典 2 件nl-hierarchy-1
Contemporary Management Research(2018)の研究は管理職 808 人のデータを構造方程式モデリングで分析した。協議と議論で実利的な合意に至る polder 的な価値観が、管理職の好むリーダーシップに強く影響しているという。
【裏付け十分】出典 1 件2018nl-hierarchy-2
Woldendorp & Keman(2007)は 1965〜2000 年のオランダのコーポラティズムを検証し、polder model は過大評価されていると論じた。労使の交渉は厳しく、中央協約が結ばれた割合は低かったという。
【裏付けあり】出典 1 件2007【古い資料】nl-hierarchy-3
コミュニケーションとドキュメント
アメリカ記述 4 件
Meyer は Communicating 軸で米国を最も低文脈な極に置いている。要約サイトの解説では、明示的に言い、要点を繰り返したり要約したりすることが好まれるとされる。
【裏付け薄】出典 1 件us-communication-1
Bezos の 2017 年の株主書簡によると、Amazon では PowerPoint を使わず、6 ページのナラティブ memo を会議の冒頭に全員で黙読する。memo に著者名は載せず、チーム全体のものとして扱う。
【裏付け十分】出典 1 件2018us-communication-2
CNBC の報道 (2018) によると、この慣行は 2004 年の Bezos のメールに始まる。Bezos は、ナラティブ構造が思考を強制するので、良い 4 ページの memo は 20 ページのスライドより書くのが難しいと説明した。
【裏付けあり】出典 1 件2018us-communication-3
Slab のブログによると、Stripe もスライドをほとんど使わず、会議の冒頭に memo を黙読してドキュメント上でコメントする。
【裏付け薄】出典 1 件us-communication-4
オランダ記述 2 件
Meyer は Communicating スケールで、オランダを米国・カナダ・オーストラリアと並ぶ低文脈(明示的)な文化の例に挙げている。
【裏付けあり】出典 1 件nl-communication-1
実務ガイドの NL Compass は、オランダの職場では会議の議題が重んじられ、予定を事前に固めるのが普通だと説明している。
【裏付け薄】出典 1 件2026nl-communication-2
働き方とキャリア
アメリカ記述 5 件
BLS によると、2024 年 1 月時点の勤続年数の中央値は全体で 3.9 年で、2002 年 1 月以来の最低だった。民間部門では 3.5 年である。
【裏付け十分】出典 1 件2024us-work-1
- BLS: Employee Tenure in 2024 (2024)
Montana を除く全州で at-will employment が原則だ。違法な理由でない限り、雇用主も従業員もいつでも雇用関係を終了できる。
【裏付け十分】出典 1 件us-work-2
TechCrunch が引く layoffs.fyi の集計では、2024 年のテック業界の layoff は 549 社で 15 万人を超えた。ピークの 2023 年は約 26 万人だった。
【裏付けあり】出典 1 件2024us-work-3
Stack Overflow Developer Survey 2025 では、米国の回答者のフルリモート比率は 45% で、回答数上位の国の中で最も高い。給与の中央値は Engineering Manager が $200k、back-end が $175k、full-stack が $138k だった。
【裏付け十分】出典 1 件2025us-work-4
Will Larson は著書 Staff Engineer (2021) で、マネージャーにならない Staff+ の IC 職を Tech Lead・Architect・Solver・Right Hand の 4 類型に整理している。
【裏付けあり】出典 1 件2021us-work-5
- Will Larson: Staff Engineer (2021)
OSS とコミュニティ
アメリカ記述 2 件
Octoverse 2025 によると、米国の GitHub 開発者数は 2020 年の 1,020 万人から 2025 年に 2,800 万人へ増え、国別 1 位だった。OSS コントリビューター数ではインドに次ぐ 2 位、総コントリビューション数では 1 位である。
【裏付け十分】出典 1 件2025us-oss-1
- GitHub Octoverse 2025 (2025)
同じ Octoverse 2025 は、米国・英国・カナダの開発者数が 2020〜2025 年に 2 倍超、インドやブラジルは 4 倍超に増えたとしている。2030 年の予測ではインドが米国を上回る。
【裏付け十分】出典 1 件2025us-oss-2
- GitHub Octoverse 2025 (2025)