扉はVPNだった
日本でランサムウェアの被害に遭い、侵入経路を回答した組織の3分の2は、VPN 機器から侵入されていた。社外から社内に入るために設けた扉が、そのまま侵入口になっている。
要旨
- 2025年、侵入経路が判明したランサムウェア被害92件のうち61件(66.3%)が VPN 機器からの侵入だった。不審メールは2件。
- VPN 機器は、社員が受付を通らずに外から入るための外壁の扉にあたる。インターネット上の誰でもこの扉の前に立てる。
- 機器の欠陥の多くはログインの前に突かれ、パスワードも多要素認証も確かめられないことがある。
- 侵入者は社内の鍵(Active Directory)を奪い、バックアップを消し、データを持ち出し、最後に暗号化する。2025年、バックアップから復元を試みた99件のうち79件が元に戻せなかった。
侵入口図
VPN 機器2025年、侵入経路が判明した92件のうち61件(最新の通年統計、2026年3月公表)2026年上半期(2026年9月公表)は回答36件のうち18件(50.0%)
出典: 警察庁 令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について(統計データ) (sheets 統計編P122, P124, P126, P129, P130; sheets 統計編P137, P138)
データ
| 侵入経路 | 件数 | % |
|---|---|---|
| VPN 機器 | 61 | 66.3 |
| リモートデスクトップ | 19 | 20.7 |
| その他 | 10 | 10.9 |
| 不審メールやその添付ファイル | 2 | 2.2 |
| 計 | 92 | 100 |
出典: 警察庁 令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について(統計データ) (sheets 統計編p139, p143, p148, p153)警察庁 令和4年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について (p.5 図表6)警察庁 令和5年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について (pp.25–26 図表25)警察庁 令和6年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について(統計データ) (sheet 資料編P46(3))警察庁 令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について(統計データ) (sheets 統計編P122, P124, P126, P129, P130; sheets 統計編P137, P138)
データ
| 年 | VPN 機器 | 有効回答 | % |
|---|---|---|---|
| 2021年 | 41 | 76 | 53.9 |
| 2022年 | 63 | 102 | 61.8 |
| 2023年 | 73 | 115 | 63.5 |
| 2024年 | 55 | 100 | 55.0 |
| 2025年 | 61 | 92 | 66.3 |
| 2026年上半期 | 18 | 36 | 50.0 |