筋肥大の根拠ノート
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ボリュームと頻度

1部位あたり週10〜20セット(補助筋は0.5セットとして数える)。頻度はボリュームを分けるための道具。

23最終確認 判定基準

このページの判定5
  1. A強い根拠週あたりのセット数を増やすほど筋肥大は大きくなる。ただし、1セット増やしたときの上乗せ分はだんだん小さくなる。
  2. Bおそらく正しい経験者がボリュームを20セット以上に増やしても、筋肥大の上乗せは小さい。一方で、きつさは確実に増える。
  3. Bおそらく正しい多関節種目のセットは、補助筋に0.5セットとして数えると、実際の筋肥大を一番よく予測できる。
  4. A強い根拠週の総ボリュームが同じなら、頻度(週1回か2回か3回か)は筋肥大にほとんど影響しない。
  5. Bおそらく正しいボリュームをそろえれば、部位別分割と全身法で筋肥大も筋力も変わらない。

結論

  • 1部位あたり 週10〜20セット。数えるのは「限界の0〜3回手前まで追い込んだセット」だけ
  • 多関節種目は、補助で使われる筋肉にも 0.5セット として数える。例えばベンチプレス1セットは、胸1、三頭0.5、フロントデルト0.5
  • 各部位を 週2回 に分けて、1回あたり6〜10セットに収める
  • 分割法(部位別、上半身/下半身、全身)の違いで筋肥大は変わらない。続けやすいものを選べばいい

ボリューム:多いほど伸びるが、伸び方は鈍っていく

A強い根拠

週あたりのセット数を増やすほど筋肥大は大きくなる。ただし、1セット増やしたときの上乗せ分はだんだん小さくなる。

  • 67研究・2,058人のメタ回帰で、ボリュームが増えるほど筋肥大が大きくなる確率は100%だった。ボリュームと効果の関係は平方根カーブで、平均の週12セット付近では1セット増やすごとに筋サイズが約0.24%上乗せされる(Pelland 2026)
  • 以前のメタ分析でも、週10セット以上は5セット未満より明らかに伸びた(Schoenfeld 2017)
  • 系統的レビューの標準的な推奨は週12〜20セット。20セットを超えて明確に有利だったのは三頭筋だけだった(Baz-Valle 2022)

Pelland 2026 の分類では、検出できるほどの差を1段階上乗せするのに必要な追加セット数が、ボリュームが増えるほど多くなる。

週のセット数(補助筋0.5換算)効率次の1段階に必要な追加セット
4最低有効量—
5〜10高い約6
11〜18中くらい約8.5
19〜29低い約10.75
30〜42最も低い約12.5

Bおそらく正しい

経験者がボリュームを20セット以上に増やしても、筋肥大の上乗せは小さい。一方で、きつさは確実に増える。

経験者(平均5年)を対象に、脚のボリュームを約22セットから2週ごとに+4〜6セットずつ増やしたRCTでは、1RMは伸びたが、筋サイズの差はわずか、または有意差なしだった(Enes 2024)。追加研究では、セット数が多いほど主観的なきつさが上がり、楽しさは下がった(Enes 2026)。

週25セットを超えるデータは少ない。平均10週程度の研究がほとんどで、長期で続けられるか、怪我のリスクはどうかは分かっていない。

補助筋を0.5セットで数える

Bおそらく正しい

多関節種目のセットは、補助筋に0.5セットとして数えると、実際の筋肥大を一番よく予測できる。

Pelland 2026 は、補助筋のセットを「1として数える」「0.5として数える」「数えない」の3通りを比べ、0.5が一番よく当てはまると報告した。著者自身も、これは確定した基準ではなくモデル化のための目安だとしている。

頻度:週2回はボリュームを分けるため

A強い根拠

週の総ボリュームが同じなら、頻度(週1回か2回か3回か)は筋肥大にほとんど影響しない。

  • 25研究のメタ分析で、ボリュームをそろえると頻度の効果は意味のある大きさにならなかった(Schoenfeld 2019b)
  • Pelland 2026 でも、頻度の筋肥大への効果はゼロと区別できなかった。筋力には、週2回あたりまで頻度の効果があった

週2回にする本当の理由は、20セットを1日でやるとセッション後半の質が落ちるから。1回あたり6〜10セットに収まるように分ける。

分割法

Bおそらく正しい

ボリュームをそろえれば、部位別分割と全身法で筋肥大も筋力も変わらない。

14研究・392人のメタ分析(Ramos-Campo 2024)。週2回しかトレーニングできないなら、毎回全身(今のメニューでは上半身全体)をやれば、各部位を週2回にできる。

参考文献

  1. Pelland JC et al. 2026. The Resistance Training Dose Response: Meta-Regressions Exploring the Effects of Weekly Volume and Frequency on Muscle Hypertrophy and Strength Gains. Sports Med. PMID 41343037 ↩ ↩ ↩ ↩
  2. Schoenfeld BJ, Ogborn D, Krieger JW. 2017. Dose-response relationship between weekly resistance training volume and increases in muscle mass. J Sports Sci. PMID 27433992 ↩
  3. Baz-Valle E et al. 2022. A Systematic Review of The Effects of Different Resistance Training Volumes on Muscle Hypertrophy. J Hum Kinet. PMID 35291645 ↩
  4. Schoenfeld BJ et al. 2019a. Resistance Training Volume Enhances Muscle Hypertrophy but Not Strength in Trained Men. Med Sci Sports Exerc. PMID 30153194
  5. Enes A et al. 2024. Effects of Different Weekly Set Progressions on Muscular Adaptations in Trained Males. Med Sci Sports Exerc. PMID 37796222 ↩
  6. Enes A et al. 2026. Exploring the Dose-Response Relationship Between Resistance Training Volume and Psychophysiological Responses. J Hum Kinet. PMID 42713159 ↩
  7. Schoenfeld BJ, Grgic J, Krieger J. 2019b. How many times per week should a muscle be trained to maximize muscle hypertrophy? J Sports Sci. PMID 30558493 ↩
  8. Ramos-Campo DJ et al. 2024. Efficacy of Split Versus Full-Body Resistance Training on Strength and Muscle Growth. J Strength Cond Res. PMID 38595233 ↩